1年前、当時30歳のK君と面談をしました。

始まりはHPからのお問い合わせ。

とても誠実に「年収が低いのですが、結婚できるでしょうか?」という包み隠さないメールをいただいたことを覚えています。

結婚は平等です、まずお会いしてお話をさせてください

そう返信すると、彼も「お世話になります」と丁寧に返してくれたのです。

たしかに年収が低いことで、結婚の難易度は高くなる

日本の男性の平均年収は45歳で、470万円と言われています。

それに対して、女性は少なくとも年収500万円以上の男性を希望します。また結婚相談所においても、年収500万円以上をボーダーラインとしていることも。

そのため結婚したいけれど、収入を理由に結婚できない人が多く存在しているのが現状です。

「お金がない」「時間がない」「年収が増えない」などといった点は、仲人といえどなかなか踏み込みづらい部分でもあります。

素晴らしい人柄を応援したいと感じた

それでも常日頃から、年収額に関わらず結婚に迷う人全てのお世話をしたい…と仲人の私たちは考えています。

K君との面談では年収についてと、生活していくうえでのお相手探しについての話をさせてもらいました。

K君は素直で性格がよく、自分の現状をしっかりと分かっています。

結婚について明確なビジョンもあって、「年収が少ない」というだけで結婚を諦めなくてはいけないなんてことが、改めて間違いだと感じました。

「良いお相手を探してあげたい」と、仲人の私が強く思った瞬間です。

年収はたしかに重要なファクターだが…

それから仲人仲間にも、彼の性格の良さを宣伝しました。

おそらく皆さん、「年収がなぁ…」と思ったでしょう。仲人は皆、自分がお世話をしている会員さんの幸せな結婚を願っているので、お相手になる方の年収も考えてしまうのは当然です。

たしかに結婚においてお金は、それなりの生活を送るための基盤として大切なものだといえます。

また、K君の良い人柄を私からどれだけ説明しようと、K君を見たことのない人に上手く伝わらないという点も。


婚活は進みその後、何人かとお見合いができたのですが、やはりというべきか全てお断りされてしまいました。

休会はネガティブなことではない

お見合いでお断りを経験した半年後、K君は休会に入りました。

婚活を一旦やめると聞くと悪いことのように感じる方も多いでしょう。でも今回K君がとった休会は、「気持ちを改めて原点に持っていくため」という、とても前向きな休会でした。

婚活ではお断りをされるたびに、「自分が拒否・否定されている」と考えて、気持ちが下がってしまう人も多くいます。

そういった気持ちを引きずってしまうと、その後の出会いも上手くいかなくなるのです。そういった場合、どこかでリセットする必要があります。

K君は3か月後、しっかりと活動を再開しました。ただ怖いのは、このループを何度も繰り返してしまい、時間だけが過ぎていってしまうこと。

そのため再開時は、私がK君の婚活に条件を付けたのです。

私が選んだ人とお見合いをしてみること

条件は至極単純。私がネットの中から候補を選び申し込みをして、承諾のお返事があったら必ずお見合いをすること。

要するに、「私が選んだ人とお見合いをしてみて」というものです。

というのも、これはK君に限らず多くの男性に共通して言えることなのですが、男性は「顔」で女性を選びます。

自分の好きな顔、すなわち基準があるというのは良いことなのですが、理想の顔をした女性に巡り合うというのは至難の業です。

また理想に近しいお相手がいたとしても、さらにその人から自分が選ばれるかどうか…というのもあります。

K君のお相手探しに重要なのは、共同で家計を支えてくれる女性かどうかです。

そこを軸に、長年仲人をやってきた「勘」のようなものも加味して確認したところ、K君にピッタリだと感じる女性が3人もいました。

「とりあえず会ってみる」ということが大切

その3人のなかから、素朴で家庭環境も似ている女性を選び申し込み。するとお相手の女性から承諾のお返事が来たと聞いて、Kくんと共に良かったと、とても嬉しく感じました。

まず、お見合いをすることが大切なのです。交際になるならないはまだ先のことで、まず会ってみることが一番です。

この時は、私もお見合いに立ち会いました。お見合い時間が来ても彼女はまだ現れず、何かあったのか不安で彼女の相談室にお電話をしたことを覚えています。

会えるまではK君も不安です。少し時間が過ぎて、彼女が走ってくる姿を見たときは2人してホットしました。

遅れてきた彼女は、心の底から申し訳なさそうに「すみません、すいません…」と、何度も私たちに謝りました。その姿が、言葉にしづらいのですが「素敵な女性」と思ったのです。仲人の直感が働き、「上手くいきそうだなぁ」と思った瞬間でした。

幸せな結婚は収入に関係なく実現できる

その後K君と彼女ら交際に入り、真剣交際から成婚、幸せな退会と進んでいきます。

コロナ感染の時期でしたから毎回お会いすることは難しかったようですが、毎日のように彼女と連絡を取り合い気持ちを深めていくことに。

その間、K君からの報告・連絡・相談など、サポートが途絶えないようにしていました。

少子化が騒がれているにも関わらず、取り残される婚活適齢期の人たちは沢山います。

結婚したくないのではなく、したいけどできない人たちです。

年収が低いだけで選ばれないことは、婚活ではたくさんあります。それでも、その人生をしっかり受け止めて、真面目に頑張っている男性が幸せになってくれるように、私たち一生懸命頑張るのです。

家庭を持ったらそれを大切に、家族の暖かさを感じさせてくれるパートナーは目の前にいます。

見落としているだけで、手を伸ばせば届くところにいるかもしれません。

どうかダメだと決めつけず、手を伸ばしてみてください。

お相手にどう思われるかが一番大切

K君の彼女が言いました。婚活で一番重要視することは、男性が安心・安全かどうか。
そこを確認できてやっと、気持ちが出発します…と。

年収が低かったとしても、そこを補えるようななにかがあれば、結婚は夢ではないのです。

■お電話でもお気軽にお問い合わせください;仲人直通TEL : 090-8746-6690 伊集院淑子