以前、70代の男性からお問い合わせがありました。
お話をしていると紳士的な感じで、この人ならばすぐにお相手が見つかるだろうと思ったことを覚えています。
ただ、70に差し掛かった結婚においてはとても重要で強く意識しなければならないことが一つあります。
それは「相続」についてです。
この男性もそこまで深く考えてはおらず、初めてお話したときにはとても驚かれていました。
エピソードとともに、詳しく解説します。
70代男性の結婚相談と把握すべき実情
では実際にその時のお話を、吹き出し形式でみていきましょう。
おいくつですか?
72歳です、こんな歳で相手にしてくれる女性がいますかね…?
もちろんです。ちなみに現在はお勤めされているなどございますか?
いえ、年金で生活しています。それなりに不動産所得や預貯金がありますので生活は困りません
家や年金、預貯金があれば、なおさら結婚相手はいらっしゃると思います。そういえば、親族の方に、結婚のお話はしていますか?
いえ、まだです。今回は再婚でして、近くに息子夫婦が住んでいますがまだ話していません。
お父様の結婚に賛成してくれそうですか?
う~ん、どうでしょうか…?近くに子供がいても孫がいてもまた違った寂しさがありますので、私自身は結婚の意志が強いのですが。子供たちは反対すると思いますか?
正直なところ、十分考えられます。結婚・入籍した場合、貴方が亡くなったとき資産の半分がお相手のものになりますから。そういった理由から反対される親族の方も多いのですよ?
えぇっ!そうなんですか…。では一度、しっかりと話をしてからでないといけませんね…
このような会話をすると大抵の男性は引いてしまいますが、とても大事なお話です。
世のシニア男性は結婚・入籍をとても簡単に考えます。
早い話、自分が歳をとった時面倒見てもらいたい気持ちが先にきてしまうのです。
とくにそれは、奥様を亡くされた方に多いように思います。
シニア婚の場合「お互い支えあいながら残りの人生を送りましょう!」と謙虚に思う気持ちがないと、一緒に生活していくなかで関係が壊れてしまいます。
そして巡り会って即入籍ではなく、暫くお付き合いの期間を持つ、子供達の深い了解を貰う、未入籍の場合1人になったら困らないように遺言書を書く…。
そこまで考えてお相手探しをしないといけません。
相続で愛情が憎しみに変わる
また別の、熟年結婚をした友人のお話です。
その友人はパートナーが病気になり、最後まで一生懸命看病をしました。
相談に乗るたび彼女の懸命さに、心打たれることも多くあったほどです。
ですが亡くなった後、男性の子供達と相続のことで裁判になってしまいます。
彼女は「あれ程好きで一緒になったのに、憎しみしか残らなかった」と、寂しそうに言いました。
その彼女の言葉が、私にはとても哀しく思えたのです。
何も書類にしていなかったこと。
子供達との話し合いが上手くいってなかったこと。
ありがとうの言葉もなく何年間も一緒に生活をしたこと。
友人としても仲人としても、それらは何だったのだろうなと空しく思います。
相続は根深く重大な問題であるため、決して軽々しく考えてはいけないのです。
シニア婚活で大切なこと
シニア婚活で大切なことは、「旅立つ方も遺される方も幸せであること」です。
その気付きを促すのことも、私たち仲人の仕事だと思います。
シニアの婚活について悩む方は、是非すみれ会にご相談ください。
■お電話でもお気軽にお問い合わせください;仲人直通TEL : 090-8746-6690 伊集院淑子